副腎偶発腫の精查中，高血圧発作をきたした60歳女性

摘要

【現病歴】健診の腹部エコーにて右副腎偶発腫瘍を指摘され，精查目的で入院となった。高血圧の既往なし。自覚症状として，4?5日に1回の頭痛がある。睡眠時に動悸や手の震えを自覚するも心電図で異常を指摘されたことはない。5?6年前より発汗過多があり，冬でもタオルが手放せない。【身体所見】血圧147/87 mmHg,脈拍75 bpm,手掌湿潤あり。クッシング徴候なし。【血液検査】血漿ァドレナリン濃度が0.28 ng/mlと軽度高値を認める以外に異常所見なし。ARR 〔血漿アルドステ口ン濃度（pg/ml)I血漿レ二ン活性〕=168 く 200。【画像検査】腹部CT検査では右副腎に29 x 27 mm大の辺縁明瞭な類円形腫瘍を認め，ほぼ均一な造影効果を示した。【臨床経過】副腎偶発腫に対し75gOGTT，カプトプリル負荷試験，CRH負荷試験，ACTH,コルチゾ一ル日内変動，普通蓄尿，酸性蓄尿，lmgデキサメタゾン抑制試験を施行した。75gOGTT，カプトプリル負荷，CRH負荷においては動悸の自覚症状を認め，いずれも収縮期血圧が200 mmHgを超える高血圧発作が誘発された。