労働者における慢性疲労

摘要

最近，疲労を翌日や休日まで持ち越す労働者が増えており，その背景に，過重労働やさまざまな心理社会的ストレスがあると考えられる．慢性的な疲労を生体の危険信号と捉えて，重大な健康被害が生じることがないよう．疲労蓄積度自己診断チェックリストなどを活用したセルフケアの推進，労働安全衛生法の改正により制度化された長時間残業者に対する医師の面接による健康指導と事後措置などの対策が進められている．また，疲労からの回復には睡眠が大切であり，適切な睡眠時問や良好な睡眠の確保について指導したり，必要に応じて治療を行うことが重要である．