消化器

摘要

食道粘膜に傷害のない非びらん性逆流症(NERD)が認知され.機能性消化管障害との関連が注目される.GERDを背景としてパレット食道が増加している.食道腺癌の発生母地であり的確な内視鏡診断が重要である.消化管間質腫瘍(gastorintestinal stromal tumor:GIST)という独立した概念が確立した.GISTにc-kit遺伝子に機能獲得性突然変異が高率にみられ,カハールの介在細胞由来の腫瘍と考えられる.チロシンキナーゼ活性阻害薬が有効である.カプセル内視鏡に続きダブルバルーン小腸内視鏡が開発され,小腸疾患が多数発見される.止血,ポリペクトミー,粘膜切除,狭窄部拡張などの内視鏡的処置も可能である.クローン病に対する新しい薬物治療として抗TNFalphaモノクローナル抗体がすでに使用されているが,ヒト化抗IL-6受容体モノクローナル抗体が現在,検討中である.