血管造影検査 ASO診断のgolden standardに変わリはないか？

摘要

閉塞性動脈硬化症(ASO)診療において画像診断を行う主な理由は，動脈病変が血管内または外科的血行再建術に適しているかを特定することである.現在採用されている画像診断は，超音波検査，CT， MRA,血管造影検査があるが，超音波検査の簡便性やCT, MRAの描出能の進歩により， 侵襲的な血管造影検査が診断のみを目的に施行される機会は著しく減少している.2007年1月に改訂発刊されたTASC II (Trans Atlantic InterSociety Consensus)においても，「血管撮影は"golden standard"な画像診断とされているが，ある程度のリスクを伴う.造影剤による重度の副作用が0.1%程度に起こり，患者の治療方針の変更が余儀なくされるほどの重度の合併症のリスクが0.7%，死亡リスクが0.16%であり，また費用のかかる検査である」と記載されており， スクリーニング的に幅広く行うことを勧めていない.