不明熱と高血圧を合併した肥満症の一例 高レプチン血症の意義に関する考察

摘要

レプチンは脂肪細胞より分泌され、主に視床下部を介して強力な摂食抑制と交感神経活動亢進によるエネルギー消費亢進をもたらし,肥満や体重の抑制に関与すると考えられている。 一方,肥満者では血中レプチン濃度が体脂肪量に比例して上昇し、しばしば交感神経活動の亢進を伴う高血圧を合併することが知られている。またヒトにおいて、血中レプチン濃度が血圧と相関すること,動物を用いた検討においてレプチンが血圧上昇作用や体温上昇作用などの多彩な生物作用を有することが証明されている。