ィレウスを繰り返した横行結腸間膜裂孔—へ—ルニァの1例

摘要

患者は85歳，女性.過去2か月以内に3回，内ヘルニアによるィレウスの診断で入院したが，保存的に改善して外来で経過観察となっていた.2011年12月に急激に腹痛が出現し，当科を受診した.腹部CTで内ヘルニアによる絞扼性ィレウスの診断となり，緊急手術を行った.卜ライツ靱帯直上の横行結腸間膜に2 cm大の欠損を認め， 空腸が約15cmにわたつて盲囊内に嵌入し，その口側の腸管が異常屈曲でうつ血像を呈していた.用手的整復で改善し，ヘルニア門を縫合閉鎖して手術を終了した.術後経過は良好であった.横行結腸間膜裂孔ヘルニアは診 断に苦慮することが多いが，術前画像および術中の注意深い観察が診断に有用と考えられた.