胃癌手術において重要な動脈の破格

摘要

胃癌に対する外科手術は局所コントロールを目的と したもので，原発巣切除は当然であるが，解剖の理解 に基づく精度の高いリンパ節郭清にもその成績は依存 するといつても過言ではない.リンパ節は動脈に沿つ て存在するため，リンパ節郭清は動脈の露出，あるい は動脈根部での切離による一括切除とほぼ同義である. 手術開始時には視認できていなかった動脈が，リンパ 節郭清終了時にはきれいに露出され，あるいは根部で 結紮処理されている.手術操作は背側に存在する血管 の走行をトレースするように膜の切離，剝離を行って いくため，動脈の走行を把握することは胃癌の手術において最も重要な要素である.