目的:高齢者の消化器外科手術をより安全に行うために,周術期のリスク評価について検討した.方法:対象は,過去6年間に当院の外科で80歳以上の高齢者に対して消化器外科手術を施行した593例とし,合併症発生および死亡率について検討した.結果:合併症は281例(47%),周術期死亡は57例(9%)に認められた.Glasgow coma score,脈拍数,各種血液検査値,緊急手術症例,術中輸血症例で有意差を認め,またphysiological and operative severity score for the enumeration of mortality and morbidity (POSSUM)スコアが予後と相関していた.結語:POSSUMスコアは予後予測に有用であり,術前にhigh risk groupを設定することは予後改善に寄与する可能性があると考えられる.
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