大腸排尿?性機能障害，排便機能障害

摘要

本稿では，大腸の手術に伴って生じる術後障害について解説する.その障害は手術の適応となった原疾患によっても内容が異なるものであるが，一般的には，結腸の部分切除においては癒着性腸閉塞などを除けば大きな術後障害は伴わない.潰瘍性大腸炎や家族性腺腫症に伴う大腸（亜）全摘，および低位吻合を伴う直腸癌では，術後排便障害や排尿?性機能障害が問題となる.また，スト一マを伴う手術の場合にはストーマに関連した術後障害が考えられるがこれに関しては他の文献に委ねる.これら術後障害の発症機序は必ずしも明確でない場合もあるが,外来でフォローする側としては障害の原因となりうる治療経過を知り，またその障害は通常どのような症状を伴うものであるのか,そしてその対応方法についての知識を持って診療に当たる必要がある.