原発性高脂血症の分類と発症メ力ニズム

摘要

原生高脂血症の定義ならびに診断基準は，もともと1983年究足した厚生省原発性高脂血症査 研究班(垂井班)による.同研究班ではまず高脂血 症を，血清総コレステロ一ル値が220mg/dl以上 あるいは血清トリグリセリド(中性脂肪)値150 mg/dl以上と定義した.現在は，日本動脈硬化学 会の脂質異常症の定義に基づいている.コレステロールや中性脂肪など血中脂質は，そのま までは不溶性であり血槳リポ蛋白という粒子とし て血中に存在し，末梢組織へ運搬され栄養謝に 与る.したがって，脂質異常症の把握，治療，理 解には，リボタンパク代謝異常としてmしなく てはならない.リポタンパクは，そのサイズゃ密度から，カイロミクロン，VLDL, LDL, HDL に分類される（図1).各リポタンパクは，リポタ ンパク代謝(図2)に示すように，血中代謝におけ る役割が異なる.