重症虚血性心疾患に対する体外衝撃波治療法の開発

摘要

虚血性心疾患に対する治療法は，現時点では，1）薬物療法，2）経皮的冠動脈インターベンション（PCI），3）冠動脈バイパス術（CABG）に大別され，個々の病態に応じて治療法が選択されている。 しかしながら，人口の高齢化や生活習慣の欧米化に伴い，薬物療法だけでは狭心症のコントロールができず，かつPCIやCABGが共に適応とならない末梢冠動脈病変やびまん性の冠動脈狭窄病変を呈する症例が増加してきている。 このような症例では，狭心症のコントロールに難渋するばかりではなく，慢性の心筋虚血による心機能の低下，心拡大（リモデリング）が生じ，最終的には重症の心不全へと病態が進行し，予後も悪い。 このような従来の治療法では解決できない重症の虚血性心疾患に対して，レーザーによる心筋内血管新生療法，体外式カウンターパルセーションや間欠的ウロキナーゼ投与などの治療法が試みられているが，いずれもその有用性については確証が得られていない。