消化管におけるがんの微小環境と幹細胞の研究

摘要

—最先端の医療に挑む若手研究者への直撃ィン夕 ビュー「トップランナーに聞く」の今月のゲストは， 京都大学大学院医学研究科消化器内科講師の妹尾 浩先生です.妹尾先生は，自然免疫や幹細胞と消化 器がんの研究を非常にactiveに行い，数多くの業績 を上げておられますが，最初に消化器疾患の研究を 始めたきっかけを教えていただけますか. 妹尾この連載で紹介されている先生方と違 い，私の場合は言うなれば業務命令でした.大 学卒業後幾つかの研修病院を回ったのですが， 静岡の病院に勤めていたときに部長が退職して しまレ、，そこに残っているわけにもいかなくな りました.その頃，京都大学医学部に千葉勉 教授を初代として消化器内科の講座ができて1 年ほどたつたところでしたので大学院生という 形で帰学しました.臨床に軸足を置いた研究を しょうと，内視鏡を中心に臨床をしてきました が，大学という環境もあり，基礎研究もするよ うになったのが消化器疾患の研究を始めたきつ かけということです.したがって私の場合は偶 然と言いますか，環境因子に左右されることが 大きかったと思います.