関節リウマチとプロスタグランジンおよびCOX-2の役割

摘要

関節リウマチ(RA)は慢性の全身性炎症性疾患であるが,主たる病態は持続する慢性滑膜炎である.その結果,関節は徐々に破壊され,最終的には運動機能障害を呈するようになる.遺伝要因やマイコプラズマ,ウイルス感染などの環境因子が関与した免疫異常がトリガーとなり,RAが発症すると考えられている.病理学的には,RAの滑膜細織は正常では薄い1～3層の表層細胞層が6～10層にも増生し,滑膜下細織にはT細胞を主体としたリンパ球,マクロファージ,多核白血球,線維芽細胞様細胞,樹状細胞,マスト細胞などの多くの細胞の浸潤が見られる.