ホルモンから見たアンチエイジングメディスンの現状と今後の展開

摘要

柳瀬本日はお忙しいところ，お集まりい ただきありがとうございます.ァンチエイジ ングに関しては遺伝子や体質などいろいろな 要因が関係していますが，人為的なアンチェ イジング対策として，ホルモン量が低下して いる場合のホルモン補充療法（HRT)など がその領域に入ると思います.HRTの対象 として，加齢により分泌量が低下する代表的 なホルモンである成長ホルモンのIGF-I系 や，昔からよく知られている性ステロイドの エストロゲンがあり，分泌量の下がり方の程 度はやや弱いものの，テストステロンも同じ 範疇に入ると思います.また，副腎皮質ホル モンの1つでァンドロゲンのデヒドロェピア ンドロステロン（DHEA)も加齢により分泌 量が低下しますし，メラトニンも加齢で減少 することが分かってきています.これらのホ ルモンを補充することがアンチエイジングに 効果があるのではないかと期待されています. このほか本特集でも取り上げていますが，ァ ディポネクチンをはじめとするアディポサイ トカインゃグレリン，構造的にステロイドホ ルモンに近いビタミンDなども，中高年での さまざまな事象に関係しているのではないか と言われています.それから最近の新しい流 れとして，これまでエイジングとの関係であ まり注目されていなかったォキシトシンが, 私たちの情動や社会医学，社会行動学との関 連で少しずつ注目されてきていますので，そ のあたりも少し取り上げたいと思っています.