小児喘息発作時におけるbeta2刺激薬吸入前後の呼気NO値

摘要

喘息発作で受診した小児喘息患者34例にか刺激薬を吸入し,前後で呼気NO値を測定した.34 例中15例では肺機能を同時に測定した.呼気NO値は34例中26例(76.4%)で増加し,34例の 平均値は吸入前値53.1士 27.7ppbから吸入後62.4 +- 31.7ppb (+ 9.3 +-13.7ppb)と有意に変化した (p<0.0001).呼気NO値の変化率は最大呼気流量(PEF)の変化率との間には相関がなかったが (R = 0.39, p = 0.795),一秒率(FEV%の変化率とは有意な正の相関がみられた(R = 0.765, p = 0.002).呼気NO値は喘息発作時には末梢気道の閉塞機転により見かけ上低値を示す可能性があ り,その評価には注意が必要である.