オルガノン·スポンサードシンポジウム「High Quality Egg＆Embryo」3）PCOS症例の排卵誘発/卵巣刺激におけるrecFSHの可能性

摘要

多囊胞性卵巣症候群（PCOS）症例の排卵誘発/卵巣刺激における最大の問題点は，多数卵胞の発育にともなって高い頻度で発生する，多胎妊娠と卵巣過剰刺激症候群（OHSS）である．また，PCOS症例から排卵/採卵された卵子のqualityの問題が注目されている．hMG製剤と比較してLH含有量の少ない尿由来FSH（uFSH）製剤の使用は，妊娠率で差はないもののOHSS発生を減少させる．そこで，1988年にCHO（Chinese Hamster Ovary）cellに遺伝子導入をする技術を用いて，recombinant follicle stimulating hormone（recFSH）が誕生すると，PCOS症例に対する排卵　 誘発において，LHが全く含まれないrecFSH製剤の導入に対する期待が持たれた．しかし，PCOS症例にrecFSHを単独で用いた場合，これまでのところ予想に反して，uFSHに対して大きな利点があるとするエビデンスはない．