内科領域の移植認定医制度の意義と課題

摘要

日本移植学会では，日本の移植医療の質の担保と倫理的に正しい臓器移植医療の発展のためにはこの領域にて活動する医師の資格制度が必要との観点より，移植認定医制度の構築と発足に向けた委員会を立ち上げた。許俊鋭委員長を中心に，ワーキンググループで討議を重ね作成された素案を再検討する作業の繰り返しによりできあがつた委員会原案が提示された。臓器移植に関連する学会や研究会から意見を求め，論議を集約し委員会としての最終案が作成された。日本移植学会は，各種臓器移植に加え，組織移植， 細胞移植などの領域も包括する，移植全般にかかわる唯一の学会である。移植領域では，外科医，内科医，病理医，免疫学者などの基礎科学者，社会倫理学者を含めた多くの医師がかかわり臨床，研究が行われている。さらに，対象となる臓器は，心臓，腎臓，肝臓， 肺，膵臓，小腸，骨髄など多岐にわたる。