同種造血幹細胞移植と免疫抑制剤

摘要

同種造血幹細胞移植では，宿主に対する免疫抑制と移植片に対する免疫抑制の双方が重要である。前者に は前処置に含まれる全身照射，cyclophosphamide, fluda-rabineなどが含まれ，後者はcyclosporin A (CSP)， tacrolimus (FK506), methotrexate (MTX)などに代表される。また，宿主と移植片のS_方に働きうるものとして，抗胸腺細胞グロブリン，alemtuzumab (Campath -IH)などがある。特に，移植片対宿主病（graft-versus -host disease ： GVHD)のコントロールは，移植の成否を大きく左右する。ここでは，主に移植片に対する同種造血幹細胞移植に使用される免疫抑制剤について述べる（表1)。