小児科に入院したィンフルェンザ感染症例に対するペラミビル投与の臨床的検討

摘要

インフルェンザ感染症は数日間の発熱で回復す ることも少なくないが，小児では脳症や重症呼吸 器感染症の原因となりうる感染症である.また， 重篤な後遺症を残すことや，死の転帰をとる場合 もあるため，抗インフルエンザ薬の選択は重要で ある.従来，小児科領域で使用可能な抗インフル ェンザ薬として経口薬ォセルタミビル（タミフ ル~R),吸入薬ラニナミビル（イナビル~R),ザナ ミビル（リレンザ~R)が用いられてきた，これら の薬剤は，いずれも臨床効果は十分であるが投与 経路が経口もしくは吸入であるため，経口摂取が 困難な重症心身障害児などの症例や人工呼吸器管 理，低体温療法の適応で鎮静を必要とする重症ィ ンフルェンザ感染症の症例に対しての使用は困難であった.