網膜静脈分枝閉塞に伴う黄斑浮腫に対するラニビズマブ硝子体注射の治療成績

摘要

目的：網膜静脈分枝閉塞（BRVO)に伴う黄斑浮腫に対するラニビズマブ硝子体注射（IVR)の効 果を検討する。対象と方法：BRVOに伴う黄斑浮腫にIVRを行い，6か月間以上観察可能であった41 例41眼を対象とし，初回IVR後1,3， 6か月ならびに最終受診時の，視力と中心網膜厚，追加治療に ついて検討した。対象の内訳は，初回治療眼が21眼，べバシズマブからの切り替え例が20眼である。 結果：全症例におけるIVR前の視力の平均logMAR値は0.46で，治療1,3, 6か月後および最終受 診時には0.34, 0.31,0.30, 0.25と改善傾向を示した。治療前の網膜厚は502.5mumで，治療1, 3, 6か月後および最終受診時には300.6mum, 407.8mum, 368.4mum, 348.7mumと，いずれも有意 な改善を示した（p<0.05)。注射回数は平均2.4回であった。6か月後に小数視力0.5以上となった 症例は全体の70%を占めた。結論：短中期的にはBRVOの黄斑浮腫の軽減と視機能の改善にIVRは有効である。