ラグビー選手に発症した 菌血症を伴う恥骨結合部骨髄炎の1例

摘要

恥骨結合部骨髄炎は比較的まれな疾患である.われわ れは若年ラグビー選手に恥骨結合部骨髄炎が発症し，菌 血症にいたった1例を経験したので報告する. 症例.16歳，男.主訴：両径部痛. 家族歴▼既往歴：特記すべきことはない. スポーツ歴：ラグビー（4年間.最近1年は平均3時 間/曰の頻度で練習）. 現病歴：特に外傷の誘因なく左径部痛が出現し，ほ ぼそれと同時期に発熱をきたしたため，当院内科へ入院 した.CRP18.6mg/dlと高値であり，血液培養でSta-phylococcus aureusが検出された.内科的に原因検索を 行つたが診断にいたらず，2週間のピぺラシリンナトリ ゥム（PIPC)の点滴投与で解熱し，CRPも0.5mg/dl に改善したため退院した.退院1週間後に両側IR径部痛 の再燃と39degCを超える発熱をきたし，救急外来を受診 した.