高齢者の胫骨開放骨折に対して初期に創外固定を使用した二期的治療の経験

摘要

開放骨折は感染症，偽関節，皮膚壊死など多くの合併症の発生率が増加する難治性骨折として，その治療法に対してさまざまな検討がされてきた.近年開放骨折に対して初期治療に十分な洗浄とデブリドマンに加えて，骨折部位の近位?遠位に創外固定を設置する方法が推奨されているト 当院でも胫骨開放骨折に対して同日緊急手術で洗浄，デブリドマンを行った後，創外固定で骨折部を安定化させいつたん手術を終了とし，その後軟部組織の改善を待ち，術可能と判断できる状態になってから二期的に最終的な整復固定術を施行している. 高齢者の胫骨骨折は単純な転倒でも発生し，開放骨折になる割合も高いことがいわれている.しかし，齢者の開放骨折に対する治療経過の報告は非常に少ない.本稿では胫骨開放骨折に対して65歳以上の高齢者群（E群）と65歳未満の若年者群（Y群）の2群間で，期治療として創外固定を使用した胫骨開放骨折の治療経過について比較?検討を行った.