日本皮膚科学会ポランティァ皮膚科診療支援報告一ボランティア診療参加者に対するアンケー卜調査より一

摘要

2011年（平成23年）3月11日午後2時46分頃に， 東北地方太平洋沖地震が発生した.宮城県牡鹿半島の 東南東沖130kmの海底を震源とし，その震源域が岩 手県沖から茨城県沖までの南北約500km,東西約200 kmの広範囲に及んだ東北地方太平洋沖地震は，日本 観測史上最大のマグニチュード9.0を記録した.この 地震により，場所によっては最大40 メートルにも上る 大津波が発生し，東北地方と関東地方の太平洋沿岸部 の自治体に壊滅的な被害をもたらした.沿岸部の地域 医療システムは，医院や病院の医療機関，介護老人保 健施設，訪問看護などによる在宅医療体制を含めて， 遍く被災し，地域医療システムが全崩壊した自治体も 少なくない.皮膚科医療も例外ではなぐ地域の皮膚 科医療機関がほとんど閉鎖され，数力月にわたる皮膚 科医療空白地域の出現っが危惧された.