急性期脳梗塞に対する経静脈的組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)投与例の検討

摘要

急性期脳梗塞に対し,当科で過去5年間(1999年4月-2004年3月)に経静脈的に組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)を使用した20症例(平均年齢73.6±10.9歳,男15例,女5例)につき検討した。 使用したt-PAは18例はアルデブラーゼ,2例はモンテプチーゼであった。 t-PA投与前のNIH stroke scaleは17.5(中央値)であり,90日後のmodified Rankin Scale3以下の割合は40%であった。 症候性出血性梗塞は1例認めた。 過去の米国における成績と比較すると,90日後の機絶予後良好の割合が少なかったが,われわれの投与症例では進行性脳梗塞に関しては,発症3時間以上経過した症例にも投与していたこと,投与前の重症度や平均年齢が高かったこと,アルデブラーゼの投与量が14例で0.4mg/kg以下と低用量であったことがその原因と考えられた。