重症·中等症肺炎に対する注射用ciprofloxacinとbiapenemの臨床比較試験の成績一般市中病院における高齢者を主体とした検討

摘要

重症·中等症肺炎における注射用ニューキノロン系薬とカルバペネム系薬の位置づけを目的に，ciproflox－acin（CPFX）とbiapenem（BIPM）の比較試験を行った?209餅の登録のうち不適格例31例，不完全例5例を除外した173例（CPFX群：87例，BIPM群：86例）で検討した．副作用によりCPFX群2例で薬剤を変更したため，有効性の評価はCPFX群85例およびBIPM群86例で検討した．効果について発熱，白血球数，CRP，レントゲン所見すべてにおいて両群間に差を認めなかった．副作用の頻度では差を認めなかったがCPFX群で静脈炎が多く，BIPM群では肝機能障害や薬疹の割合が高かった．両剤とも80％を越える有効率を示した．結論として肺炎に対し臨床効果に有意差は認めなかったが，CPFXおよびBIPMとも有用な妾剤であることが示唆された．副作用の種類において違いを認めた．