リアルタイムPCR法による食中毒菌の迅速スクリーニングの検討

摘要

食中毒の急性期患者5名の糞便からQIAamp DNA Stool Mini kitを用いDNAを抽出し, duplexリアルタイムSYBR Green Light CyclerPCRによる検査で食中毒菌19菌種のうち8菌種を2時間以内に検出できる迅速スクリーニング法を開発した.プライマーはPksiomonas shigelloidesとprovidencia alcalifacien検出用を含む22種類を準備した. 2002年から2005年に本法を食中毒検査に試行的に導入し, Campylobacter jejuniによる4事例とclostridium perfringensによる2事例, EPECとastA陽性Escherichia coliによる1事例およびastA陽性E, coliとEHECO26, Bacilluscereusによる1事例ずつにおいて標的遺伝子を迅速に検出した.本法による急性期糞便からの食中毒菌の標的遺伝子の迅速か曽幅と特異遺伝子の確実な検出は効率的かつ確実な細菌分離と食中毒の迅速診断を可能にした.