Rectal swab法による直腸内薬剤耐性大腸菌サーベイランス 一2009年-2013年のキノ 口ン耐性大腸菌，ESBL産生大腸菌の動向一

摘要

大腸菌は比較的良好な薬剤感受性を保ってきたが，近年，市中感染においても耐性菌の増加が指摘されている.当科では前立腺生検予定者を対象としてRectal swab法による直腸内耐性大腸菌サーベイランスを 行ってきた.今回，2009年6月以降のキノ ロン耐性菌，ESBL産生菌の動向を経年的に検討した.2009年6月から2013年12月までの前立腺生検予定者251人を対象とした（年齢50-85歳，中央値68 歳).直腸指診の際，手袋に付着した便を検体とし，MicroScan WalkAway40plus (シーメンス社）で同定 と薬剤感受性試験を行つた.LVFXのMIC値が4mug/mL以上の大腸菌をキノ 口ン耐性大腸菌と規定し， ESBL産生能の確認はCAZ， AZT, CTXのMIC値が2mug/mL以上またはCPDXのMIC値が8mug/mL以 上を示す菌株に対してCVA含有ESBL確認用ディスク（栄研化学）を用いて行った.