論文特集「学習科学と学習工学のフロンティア」にあたって

摘要

人工知能の分野における学習?教育支援の試みは，古くはコンピュー夕支援教育(CAI ： Computer AssistedInstruction),知的学習支援(ITS ： Intelligent TutoringSystem)として，優れた理論的な研究や，システム開発，実践が行われてきた.その後，コンピュータ技術の急速な進歩に伴い，学習者のスキルのょり精緻な把握，学習の高度なモデリング，個々の学習者の特性に合わせた教材の開発など，現実社会でょり役に立つ学習.教育支援システムの研究が進められるょうになった.そのょうな中で，人工知能学会の「先進的学習科学と工学研究会(SIG on Advanced Learning Science and Technology:ALST)Jでは，認知科学の観点から学習.教育プロセスを促進する仮説を立て，実践で検証する「学習科学」と，情報工学?知識工学の観点から学習?教育プロセスを促進.支援するための技術?システムづくりを目指す「学習工学」の両視点から，先進的な学習?教育環境についての理論的，技術的，実践的な研究を行ってきている.さらに，2012年ょり2年間にわたって開催してきた人工知能学会全国大会のオーガナィズドセッシヨン「Affective Computing for Learning」においては，学習.教育におけるコンピュータ支援のさらなる深化を目指すことを目的に，学習者の心的状態や感情推定も含めた先進的な学習?教育環境に関する活発な議論が行われるなど，ょり広範な側面も研究対象に取り込みつつある.