ビタミン欠乏症（ゥエルニッケ脳症等）

摘要

VB_1欠乏はアルコール乱用者において多くみられ，食事摂取不良，腸管から の吸収不良などにより生じる1)。その他，代謝亢進状態（全身消耗疾患，甲状 腺機能亢進症，悪性腫瘍，重度の感染症，妊娠悪阻など），利用障害（重度の 肝疾患など），水溶性ビタミンの喪失（血液透析，腹膜透析など）などによつ ても生じうる。需要量は代謝回転率によって左右され，ブドウ糖を大量に 摂取した際に最も大きく必要とされる。ビタミン補給なく長期間経静脈栄養を 行うと，ブドウ糖の継続的な大量摂取に対して相対的にVB_1欠乏状態となる。 古くは高カロリ—輸液が誘因となるケ一スがあったが，最近ではVB_1が添加された製剤が広く市販されている。