バイァス制御高効率レクテナ構成法の一検討

摘要

近年，次世代移動体通信システムや無線LANシステムの伝送速度の高速化の検討が盛んである．伝送速度高速化のため，広帯域性を確保しやすい準ミリ波·ミリ波帯の利用が検討されている．また，数百素子のアンテナを用いたMassive MIMO技術の適用も検討されている．高周波化とMassive MIMOを効果的に組み合わせた使い方として，基地局のカバーする無線エリアを小さくし，基地局数を増加させることで高い通信品質と伝送速度を実現する構成が考えられる．しかしながら，本構成は設置する基地局数が増大するため，基地局設置のための通信線及び電源の確保が困難となる．そこで，通信と電力を共に無線により伝送する情報·電力同時伝送技術を確立する必要がある．本検討では，基地局駆動用の電力を無線により伝送することを考え，特に受電パネルの設置位置による効率劣化を抑えるため，広ダイナミックレンジ性を実現する受電アンテナ構成を目指し，整流用ダイオードにより整流した電力を入力側に簡易な構成で帰還させることによりRF/DC変換効率を改善する構成を提案する．また，5GHz帯において回路解析を行い，通常の構成に比べ，入力電力26mW時にRF/DC変換効率が9.61%改善可能であることを明らかにした．また，本構成は高入力時の変換効率においても従来構成時と遜色ない特性が得られることも明らかにした．