自動車産業における生産システムの革新：日産九州工場における同期生産の取り組み

摘要

日産の主要工場は日本をはじめ，アメリカ大陸からアジア，ヨーロッパ，アフリカ大陸までグローバルに展開しており，日本国内には九州工場の他に委託会社も含め四つの車両工場がある。九州工場は，1975年にエンジン工場として産声を上げた。 翌1976年にはトラック，1982年からは乗用車の生産を開始し，現在に至っている。 ラフェスタ，プリメーラ，ティアナ，プレサージュ，ブルーバードシルフィーなど国内主力5車種と，エクストレイル，ムラーノ，パスファインダー，パルサーなど海外主力4車種の計9車種を3本のラインで混流生産を行なっている。 2005年4月には工場操業30周年をむかえた。 面積は236万m{sup}2，甲子園球場約60個分の広さで，北側には外航用の船が接岸できる日産専用の埠頭も備えている。従業員は総勢約5200人で，日産では最大規模の工場である。