未来を拓くサイエンス40：アトピー性皮膚炎と最近の研究成果

摘要

アトピー性皮膚炎は、アレルギーを起こしやすい性質「アトピー素因」と、乾燥し易く刺激に弱い皮膚の性質とを合わせ持つ人に起こる疾患で、皮膚のバリア機能が失われ、強い痒みを伴って、良くなったり（寛解）、悪くなったり（増悪）をくり返し、慢性化することが特徴である。現在、二〇歳以下の一〇人に一人がアトピー性皮膚炎であると推測されている。本稿では、アトピー性皮膚炎の概要と、最近の知見を紹介する。