カナダ便り：F35戦闘機選定プロセスと原発再稼働

摘要

昨年末から今年の年始にかけて、比較されながらカナダの新聞紙上を賑わした話題は、中国海洋石油によるカナダ石油大手ネクセン社の買収の是非と、カナダも主体的に関与してきた国際共同開発（Joint Strike Fighter（JSF）計画）によるF35 ライト二ングII戦闘機六五機の購入問題である。結論としては、前者は連邦政府の許可が出て買収が成立したのに対して、後者は連邦政府が購入価格が納税者への説明ができないくらい高すぎるということから購入しないと決定された。さて、アルバータ州のエネルギーに関連した話題はまた後日紹介することとして、今回は後者のF35戦闘機種選定問題についてのカナダ会計監査院による評価報告書内容が、カナダ原子力学会（CNS）においても話題になった［1］ことから、それについて紹介したい。