OFDMシステムにおけるガードインターバル越え遅延波の除去と信号再構成に関する一検討

摘要

本研究では，Orthogonal Frequency Division Multiplexing （OFDM）方式を用いる際に，受信品質劣化の要因となる，ガードインターバルを越える遅延波の影響により発生するシンボル間干渉及びサブキャリア間干渉を低減する手法として圧縮センシングに基づく手法の提案を行う．これまで，加法性ガウス雑音通信路における性能評価を行ってきたが，本研究では，マルチパスフェージング環境における性能評価を行うため，圧縮センシングに基づくチャネル推定法及びデータシンボル推定法の検討を行う．計算機シミュレーションによるビット誤り率特性により評価を行い，サブキャリア数が64のOFDMシステムにおいて，ガードインターバルを6サンプル越えるマルチパスであれば良好な誤り率特性が得られることが分かった．