LTE-Advancedにおける上下非対称帯域幅を用いるキャリアアグリゲーションの屋外実験結果

摘要

本稿では，LTE-Advanced試作装置（RFキャリア周波数は下りリンク：3.92625GHz，上りリンク：3.67125GHz）により，屋外実伝搬環境での走行実験によって，上下非対称帯域幅を用いるキャリアアグリグーションの制御信号の誤り率およびスループット特性を検証する．屋外実験結果より，適応変調·チャネル符号化（AMC: Adaptive Modulation and Cording）の閉ループ制御に用いる上りリンクのフィードバック制御情報（CQI: Channel Quality Indicator）を共有データ信号と時間多重する場合，上りリンクで選択された共有データ信号の変調方式の影響を受けるものの，符号化率オフセットの調整により，フィードバック制御情報がほぼ所要の誤り率特性を実現できることを確認する．さらに，フィードバック制御情報（CQI）誤り，およびRF送信部におけるアナログフィルタ特性等に起因したCC間の受信SINRのばらつきを考慮した場合においても，下りリンクにおいて5CCのキャリアアグリグーション（100MHz帯域幅）および2-by-2シングルユーザMIMO多重の適用により，実伝搬環境で500Mbps以上（ピークで640Mbps程度）のスループットを実現できることを示す．