直交多項式展開に基づく適応プレディストータ型非線形歪み補償方式

摘要

基地局電力増幅器の非線形歪み補償法として適応プレディストータ法が注目されている.適応プレディストータのパラメータの収束速度を改善する方法として直交多項式を用いる方式が知られている.本論文では,メモリ効果を有する電力増幅器の非線形歪み補償技術として,直交多項式展開に基づく適応プレディストータ方式を検討する.検討方式では,高域通過フィルタを用いて検出した帯域外スペクトル成分を最小化するようにプレディストータのパラメータを定める.この方式を用いることにより非線形歪みを補償しつつ,従来の非直交多項式展開を用いる方式と比べてパラメータの収束時間を大幅に短縮できることを計算機シミュレーションにより示す.