多段トランスバーサルフィルタを用いた周波数検出方式

摘要

本報告では，多段トランスバーサルフィルタを用いた新しい周波数検出方式について述べる．提案方式では，多段トランスバーサルフィルタを3つ並列に配置し，これらからの出力信号の相互演算により，入力信号の周波数を算出する．ここでは，提案方式において周波数検出が可能であることを定式化より示した．提案方式の性能検証のため，計算と測定で得たCWI信号の時間波形を用いて検出誤差の評価を行った．その結果，提案方式は，一定の検出誤差以下で周波数を検出できることを確認した．例えば振幅分解能が12ビットのCW信号の測定データを用いた場合，検出誤差の平均値は1e-3～1e-2であった．またフィルタを用いて入力信号に含まれる2倍波と3倍波の高調波成分を抑圧することで，検出誤差の平均値は1e-3以下に改善できた．