FDTD法，CIP法およびR－CIP法を用いた矩形波の伝播特性に関する検討

摘要

本研究では，FDTD法，CIP法およびR－CIP法を用いて，矩形波を伝播させた場合，CFL条件に対する解析波形の依存性を検討した.具体的には，Cダム（＝CdりゐC:速度，dt;タイムステツプ，dx:ノード幅）を1から僅かに減少させた場合および0.5，0.25，0.125と大きく変化させた場合について解析を行い，得られた時間波形にFFT処理をすることで周波数スペクトルに変換した．そして，理論値と得られた解析値から誤差を計算し，各解析手法の矩形波伝搬の特徴について考察を行った．この結果，まず，Cダムがほぼ1の場合においては，どの手法も解析値と理論値の周波数スペクトルは一致するが，Cダムを0.9999，0.99とした場合では，FDTD法においてはそのスペクトルは発散および振動等が生じ，CIP法，払CIP法ではスペクトルが減衰することが分かった．次に，Cダムを0.5以下にした場合では，FDTD法は，高周波においてもスペクトルが保存されるが，スペクトルが落ち込む箇所においてずれが大きいことを確認した．また，CIP法では，FDTD法に比べ，高周波においてスペクトルが減衰し，さらにR－CIP法では，より低い周波数においてスペクトルが減少するため，解析倍がより拡散的になることを確認した．