ペーパーホワイト反射型LCDに向けた無彩色偏光板の開発

摘要

周囲光を光源として、表示を行う反射型液晶ディスプレイは、バックライトが不要なため、消費電力が少なく、薄く、軽いという特長を有し、近年、モバイル機器用のディスプレイとして注目されている。しかし、従来の偏光板を使用した反射型液晶ディスプレイは、偏光板の色調がそのまま表示色となってしまうことから、白表示が緑黄色がかり、または、黒表示が青みがかったものとなるという問題を有していた。この課題を解決するため、本研究では新たな二色性色素を開発すると共に、偏光板中の色素の配向性を改善することで、平行位及び直交位における各波長の透過率が一定となる無彩色偏光板の開発に成功した。この偏光板を使用することで、高い反射率と高品位な紙のような白色表示と共に、高いコントラスト比と動画表示能力を備えた低消費電力の反射型液晶ディスプレイを開発した。