トイレで社会が見える（14）子どもの健康は，うんちから--東テイモールでのトイレ·衛生支援活動

摘要

日本トイレ研究所と王子ネピア㈱は，2007年から子どもたちと一緒にトイレや排泄の大切さについて話し合う総合学習プログラム「うんち教室」を実施している。プログラム構成は，以下のとおりである。①基本講座（トイレとうんちの大切さや，排泄と健康の関わりを伝える）②うんちえんぴつ作り（うんちへの関心を高め，印象に残る授業にする）③うんち日記の記入（うんちの状態を把握し，親子の会話のきっかけをつくる，うんちと健康の関係を理解する）これまでに，計1,102人（2008年12月時点）の子どもたちにうんち教室を実施した。また，王子ネピアは，2008年，「nepia千のトイレプロジェクト」を立ち上げた。本プロジェクトは，ネピア商品の売上の一部でユニセフの東ティモールに￣おける「水と衛生に関する支援活動」をサポートするというプロジェクトである。ネピア商品が1パック購入されるごとにユニセフへの寄付を積み上げ，1,000の家庭のトイレ建設と，15の学校のトイレの建設または修復を実施し，さらに衛生習慣の普及と定着のための活動を支援するものである。同プロジェクトチームは2008年4月に，現地東ティモールを視察のため訪れた。当研究所も同行し，プロジェクトチームと共に，東ティモールの学校でうんち教室を開催し，子どもたちにトイレの大切さを伝えることになった。