特集に当たって

摘要

電気設備の耐用年数は設置環境や使用状況によって異なるが，様々な資料によると弱電設備機券をスタートにして蓄電池設備や中央監視設備，そして最終は受変電設備機器や屋内配線の順に並ぶ例が多ぃことが報告されてぃる。これには設計耐用年数が大きく関わってくるが，寿命とともに技術の進展により，設置された機器の陳腐化が進み，建物の資産価値の低下と共に新機種へのリプレースや新システムへの転換のためのリニューアル投資も大きな要因となってぃる。 しかし近年，建物の資産価値向上は単にイメージアップや設備の更新のみに期待するのでなく，建物用途を時代のニーズに合ったものに変更し，建物の竣工時から低下してきた価値をドラスチックに変更するオーナーもみられるようになった。 もちろん我が国でも古くから明治·大正時代に建てられた歴史的建造物の外観を保持し，内装をリモデルして，昔とは違った便ぃ方をするレトロフィットと呼ぼれる工事は従来からも行われてきた。