上向き通風式固定床ガス化炉による木質バイオマスガス化発電技術－バイオマス利用技術

摘要

当社は最近、デンマークのパブコツク＆ウイルコックスフェルント（Babcock＆Wilcox Volund ApS：以下、フェルント）から木質バイオマスの高効率なガス化発電技術を導入した。生木のチップを上向き通風式固定床ガス化炉でガス化し、生成ガスを熱交換器と湿式電気集じん機を通してタールを除去した後、ガスエンジンに送り発電する。 また、ガス化プロセスで課題とされていたタール含有廃水は自己熱を使って気化燃焼し浄化する。本技術の特長を以下にまとめる。 (1)　 含水率35～50％の生木のチップを、乾燥工程を経ることなく炉に直接投入可能。 (2)　 ガス化炉内部で熱交換が行われるため、エネルギー利用効率が高い。(3)　 30％前後の発電効率が得られる。(4) 10％までのターンダウンが短時間で行えるので、運転のフレキシビリティが高い。 (5)　 完全自動化運転により、保守運転作業を大幅に軽減できる。 (6) タール含有廃水は、自己生成熟を使って浄化でき、公共下水道への放流が可能。