窒化ケイ素セラミックスにおける熱衝撃破壊過程のAE法による評価

摘要

窒化ケイ素セラミックスは過酷な高温環境下で使用され、非定常な熱流束によって生じる温度勾配に起因する熱応力が駆動力である熱衝撃破壊が問題である。また、この材料の持つ柱状粒子の粒径の増大により耐熱衝撃性が向上することが期待される。本研究の目的は粒径が耐熱衝撃性に与える影響を評価することである。そこで、3つの異なる粒径の柱状粒子を持つ試料を作製し、4点曲げ試験とAE法による破壊過程の解明および熱衝撃破壊抵抗係数R'，熱衝撃損傷抵抗係数R””の算出を行った。その結果、粒径の増大に伴い熱衝撃におけるき裂の発生は抑制されないが、き裂の進展は抑制されるという知見を得た。