燃料電池総合ガイド：FC Technology FILE－燃料電池の最新動向が分かる

摘要

水素と酸素を反応させ電気と水を発生する燃料電池は、小容量ながら高い発電効率·環境性の良さなどの特性を持つ。 その歴史は1801年にデービー卿（イギリス）が考案を発表し1839年にグローブ卿（イギリス）が初の発電実験に成功とかなり古くから存在している。 その後、いくつかの変遷を経て1960年代からは主に宇宙航空産業で活躍してきた水素·燃料電池の技術が、いま我々の生活と密接な関わりを持とうとしている。 わが国では2000年に燃料電池普及基盤整備事業（通称：ミレニアム事業）がスタートし、2002年2月には小泉純一郎前首相が施政方針演説の中で燃料電池に触れ、3年後の実用化を宣言し、燃料電池は一躍、園のエネルギー政策の表舞台に躍り出た。 2010年に約210万kW、2020年に約1000万kWの導入目標量を掲げ官民一体となって普及に向けた取り組みを積極的に行っている。 定置用に関しては既に実証研究が行われており、東京ガスをはじめとする数社でPEFC（固体高分子形）の実用化がなされ、SOFC（固体電解質形燃料電池）に関しても愛知万博などでその姿を目にする機会が増えてきた。 さらに水素ステーション等インフラの整備と同時に燃料電池自動車や水素エンジン自動車も各社で開発が行われ、実際にリースというかたちで実用化がなされ始めた。 その他にも携帯電子機器用として期待を担うDMFC形の燃料電池など様々な用途、各業界で注目を集め開発·普及が進められている。 本誌ではクリーンエネルギー社会の根幹を担い、いま最も熱い燃料電池の技術·最新動向を一覧にして紹介する。 一日も早い燃料電池社会の到来を願って。