楕円形Ni-Feドット列における磁気特性の隣接ドット間距離依存性

摘要

スピンコンピュータには，スピン情報の記憶（メモリ），伝送および演算の3つの基本要素が必要である．スピン情報の演算に関して，我々は4個の楕円形微小磁性ドットからなる磁性論理演算回路(Magnetic Logic Gate: MLG)を考案した．この回路では，隣接ドット間に働く静磁気的相互作用が演算の主要な役割を担い，NANDおよびNORの論理演算を実現できることを計算機シミュレーションにより示した．このことから，MLGを実現するためには，楕円形微小磁性ドットにおいて静磁気的相互作用が働く隣接ドット間距離を最適化することが重要である．本研究では，MLGの創製を目指して，磁性材料としてNi-Feを選択し，楕円形Ni-Feドット列における磁気特性の隣接ドット間距離依存性を検討し，静磁気的相互作用が働くドット間距離の最適化を図った．