経頭蓋的磁気刺激における渦電流の有限要素解析および精神疾患治療のための至適刺激条件の検討

摘要

電気痙攣療法(ECT)は，頭の表面に置いた電極から脳に電流を加えることで，重篤な精神疾患を改善する治療法である．ECTに代わり経頭蓋的磁気刺激(TMS)を用いることで，同等の治療をより非侵襲に実施できる可能性がある．TMSをECTの代わりに用いる初期検討においては，ECTに近い電流分布を与える条件でTMSを行うことが望ましいと考えられる．本研究では，TMSの様々な刺激強度およびコイル直径についてECTとTMSの間で脳内電流分布の比較を行い，ECTに近い電流分布を与えるための，TMSの刺激条件を求めた．