東日本大震災の沿岸漁船復興への取り組み

摘要

「現状」で述べられた経緯によって、被災地の漁船復興の一部を受け持つことになった。水産庁からの要請は、最初に造船所が被災して建造困難となってしまった宮城県亘理地区で始まるプロジェクト漁船の建造に目処をつけるようにとのことである。作戦は2段構えで、まず亘理のプロジェクト船、次にそれ以外の被災漁船の復旧という段取りになる。亘理の船の建造に目処がつくまでになれば、次の仕事もある程度見通しが立つだろうと思われた。震災前、亘理プロジェクトの9.7トン型FRP製小型底曳き綱漁船（以下、亘理PJ小底船）については、安全性の検討が主になるということだったので、当初辞退した経緯がある。その後のことは承っていなかったため、そもそも亘理がどこにあるのかすら、分からなかった。