中西部太平洋のカツオマグロ資源と漁業管理のあり方

摘要

今年は毎年、春から秋にかけて日本周辺に北上してくるカツオの来遊が異常に少なく、カツオー本釣や引縄釣あるいはカツオ巻鋼船は大変な不漁に見舞われています。毎年東沖で操業する海巻船は、例年になく早く東沖の操業を切り揚げ南下しています。このようにわが国周辺に来遊するカツオ資源に一大異変が起こっていることは確かです。この異変が異常気象による一過性のものならば、まだいいのですが、近年の北緯20度以南の赤道水域における無秩序な巻鋼船の隻数増加による乱獲を理由としたものでないことを祈っています。日本はこの南方水域の巻鋼船の無秩序な増加に警告を発してきましたが聞き入れられず、今日でもなお巻綱船の増加の勢いは衰えていません。