自己組織化マップを用いた時系列信号処理：点字認識課題への応用

摘要

通常の自己組織化マップ（SOM）札時系列情報を取り扱うことができない．そこで本論文では，競合層のまわりにフィードバック結合を付加し，第2候補や定量的な信頼性を表現する出力層を後段に設けた新しいアーキテクチャ－Elman型フィードバックSOM－を提案する．また，本手法の有効性を明らかにするため，ここでは点字の認識課題を取り上げた．点字とは縦横が3×2の6点で構成される視覚障害者用の文字で，これを指先で触れながら読み取ると，縦方向は空間情報，横方向は時系列情報とみなせる．そこで，共通の部分系列を含む4都市名を用いた計算機シミュレーションを行ったところ，これらを適切に識別できることが判明した．