「垂直統合と垂直非統合のビジネス戦略論」

摘要

半導体産業は他の産業に見られないほど資本と技術集約性が高い産業である。 1990年代以降、ウェハサイズの拡大及び微細化技術の進化が同時に進行してきた結果、先端技術の工場建設コストが莫大になり、技術開発コストが高騰したため、半導体産業の資本と技術集約性が高いという特性が一層顕著になった。 そもそも、このような状況で、経営資源を豊富に有する垂直統合型企業(Integrated Device Manufacturer, IDM)が、よりその産業特性に対応できるはずであるが、現実において、1990年代以降の大手企業の行動をみると、それと正反対である。 1990年代以降の大手企業の行動は、次の3点をまとめられる。 それは、①分社化、「選択と集中」という戦略を取った、②ファブライトあるいはファブレスに事業転換した、③製造受託事業に参入した、ことである。